vol.4
社叢から
[第4話]神様のお顔は
[第4話]神様のお顔は
昨年9月号で、古代の神々は、「異界」である原初の森にいた、という話を紹介しました。森に棲む神が人と交信(または遭遇)するには、大別して2つのルートがあります。 1つは“人に憑く”ルートです。特殊な霊能を持つ巫覡を依坐(よりまし)として神を降ろすという方法。例えば、我が国でも最古層の信仰遺跡とされる沖ノ島で最も古い(4世紀後半?)とされる岩上祭祀遺跡では、生身の人間が神の言葉を伝えたという説があります。 もう1つは“夢に出る”ルート。「古事記」には、崇神天皇の夢枕に大物主神(おおものぬしのかみ)が立ち、国を安んずるために大田田根子にその御魂を祀らせるよう命じる話が載せられています。大物主神は三輪明神とも称され、三輪山の杜から天皇の夢中に飛行したとされます。 いずれのルートにせよ、本来神様は「人間の姿をして立ち現れる」ということ。「神道は自然崇拝」という言い回しがありますが、巨木や巨岩など自然物そのものを拝んでいるのではなく、そこに依る人形(ひとがた)の神を崇めるのが元々の姿のようです。 皆様もご参拝の折は、扉の向こうに坐します“人の顔をした”神様のお姿を思い浮かべれば、より親しみを持てるのでは。